年初から波乱に見舞われている日本株市場。4年目を迎えたアベノミクス相場は今、正念場を迎えている(図1)。行く手を阻むのは、ここにきて再燃している中国の景気不安、そして企業業績を押し上げてきた円安トレンドが変調を来していることだ。さらに原油安という不安要素も依然としてくすぶる。
朝10時すぎ。ある証券会社のトレーダーは、もはや日課となった中国における二つの市場動向のチェックを行う。一つは中国人民銀行から公表される、人民元の取引目安となる対ドルでの基準値。もう一つは中国株式市場の寄り付きだ。年初からの日本株の波乱はいずれも、午前中に中国から始まった。
日本、中国ともに今年最初の取引日となった1月4日。中国で発表された同国の景況感を示す指標が市場予想を下回ったことで、中国株式市場は寄り付きから急落、一定の値幅を超えた場合に取引を止めるサーキットブレーカー制度が午前中に発動した。日本株もこの動きに引きずられて値を下げた。
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