2016年のIPO(株式新規公開)は、JR九州(九州旅客鉄道)や、ロボット技術を手掛けるZMPなどが大型のものとして注目されている。15年の98社(TOKYO PRO Market含む)を上回れば、IPO件数は7年連続の増加となる(図)。ところが、市場関係者の間では早くも減速を懸念する声が上がっている。
「今年は100社に届かない。前年を下回る可能性もある」と指摘するのは、IPO Japanの西堀敬編集長だ。その要因は「新興株式市場の売買代金が伸び悩み公開価格を下回りやすくなっており、投資家が初値でIPO銘柄を買う魅力も減っていること」(同氏)という。
相場のトレンド以外にも、今年のIPOが盛り上がりに欠けるとみられる要因はある。背景にあるのは15年3月に起きた「gumi(グミ)ショック」だ。
スマートフォンゲーム会社のグミは14年12月に上場したが、わずか2カ月半で業績予想を黒字から赤字へ下方修正し、株価が急落した。上場前にベンチャーキャピタルなどから調達した金額が、ベンチャー企業としてはかつてない規模で期待が高かったことから、投資家やIPOを目指す企業に失望が広がった。
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