ボーイングが最新型機B787の納入を7度遅延、下請けニッポンの苦渋


 ジャムコは11月初旬、787向け出荷の遅れから、11年3月期の経常利益見通しを当初の半減となる3・6億円に引き下げた。が、七度目の遅延は織り込んでおらず、今後再度の減額修正もありうる。

重工3社も苦悩の色が濃い。ボーイングが初めて外注した主翼を担当する三菱重工業は、生産設備に約400億円を投じた。だが、これまで生産したのは三十数機分のみ。名古屋・大江工場は月産1~3機と緩やかなペースだ。将来の生産水準引き上げをにらみ、炭素繊維複合材を焼き固めるオートクレーブの2基目の導入も予定しているが、「タイミングを計りかねている」(三菱重工関係者)という。

前部胴体などを生産する川崎重工業も06年に約170億円を投じ、787向け専用工場を立ち上げた。さらに、10年3月に約200億円で別の工場棟も完成。だが、07年1月の初出荷以来、低稼働に悩まされている。

中央翼などを生産する富士重工業も11年4月の完成を目指し、愛知・半田工場の組み立てライン増設を急ぐが、量産時期は不透明だ。

各社はボーイングが13年後半に予定する月産10機のフル稼働に合わせてきた。だが、全日空への初号機納入が遅れるほど、生産水準を引き上げる時期も遠のいていく。設備投資を急ぎつつも、量産スケジュールが読めないという暗中模索に陥っている。

賠償請求に及び腰

ボーイングへの不満は募る一方だが、メーカー側に補償を求める動きは見られない。ボーイングへの供給契約が、生産計画の変更を柔軟に認めているからだ。ある関係者は「契約自体は破られたわけではない。損害賠償請求などとてもできない」と漏らす。

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