多くの個人投資家を誕生させたNTT上場は、その後のバブル相場を連想させるトピックとして大きな時代の流れを作り上げたといえる。「利益で新車を購入した」「住宅購入の頭金にした」といった話が聞かれたことを考慮すると、熱狂相場そのものだったと思われる。
では、今回の郵政上場は熱狂相場になりうるのかどうか。熱狂相場となるには、1.需給面や景気など相場の地合い、2.企業の成長性の2項目が必要と考える。
足元の日本株市場は、日本銀行による異次元緩和によって、株価下落局面では日銀がETF(上場投資信託)を購入しており、その額は年間3兆円。また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済の3共済なども株式を買い入れるなど需給面は良好だ。1990年代に実施された、株価が下がったときに政府が公的資金を使って株式を購入するPKO(株価維持策)と同じとの指摘も一部あるが、当時の日経平均株価のPER(株価収益率)は約40倍。現在は16~17倍と企業の業績に見合った水準であることから、PKOによる無茶苦茶な株価押し上げとは異なる。
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