「ゆうちょ銀行の将来にとって預入限度額引き上げが正しい方向であるとはまったく思えない。引き上げがもたらすさまざまな弊害をたいへん危惧しており、明確に反対を申し上げる」。全国銀行協会の佐藤康博会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は、6月18日の記者会見で、厳しく言い切った。
ゆうちょ銀行への貯金は現在、一人1000万円までと定められている。それを自民党は、9月末までに2000万円、2年後までに3000万円に引き上げると政府に提言した。「ゆうちょ銀行の利用者から『限度額を引き上げてほしい』という要望が強かったから」(元全国郵便局長会会長の柘植芳文・参議院議員)だ。そうした動きを佐藤会長は牽制した。
全銀協だけではない。地方銀行協会、全国信用金庫協会など、ほぼすべての既存の金融機関団体が「反対」を相次いで表明した。郵政民営化法の基本理念(第1条)は、「民間に委ねることが可能なものはできるかぎり民間に委ねる」というもの。ここから考えれば、ゆうちょ銀行は規模を縮小すべき。それゆえ規模拡大につながるような規制緩和は認めがたいというのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら