日本郵便はフォワーディング(貨物運送利用事業)や3PL(物流請負事業)、国際宅配便を手掛ける物流大手・豪トール社を6200億円で買収した。高橋亨社長は2月の会見で「世界でトップ5に入る国際物流グループになる」と意気込みを示した。2月に合意したトール社買収は5月28日に完了。買収資金は、2014年9月に日本郵政から6000億円の増資を受けた資金で用立てた。
巨額ののれんが悩みの種に
買収価格はトール社の時価総額の2倍。このため、3000億円以上ののれんが発生する。のれんは超過収益力とも呼ばれる。時価総額よりも高い分はその力を評価してついた価格だと見なされる。日本基準の会計ルールでは、「買収後に超過収益力はしだいに落ちていくので、一定額を毎期償却する」ということになっている。償却期間は最長20年だ。
日本郵便がこれまでどおり日本基準で決算をするならば、一定額を毎期償却しなければならない。最長の20年償却として毎期150億円。日本郵便の営業利益は2015年3月期に106億円だったことを考えると、赤字に転落しかねない金額だ。
日本郵政の西室泰三社長は3月にIFRS(国際財務報告基準)へ移行する可能性に言及している。トール社がIFRSで決算をしているため決算の連結作業が容易であるほか、IFRSならのれん償却がないので、毎期の営業利益にトール社ののれん償却が影響しない。
この記事は有料会員限定です
残り 625文字
