「売りたい保険がなくて困っているんです。まじめにお金の勉強なんかしないほうがよかったかなぁと思ったりして(苦笑)……」。ファイナンシャルプランナーとして向上心を持ちながら、かんぽ生命保険の窓口で働いている人の言葉だ。
筆者は数年来、保険相談を有料で行っているが、時に保険会社・来店型保険ショップ・銀行などで保険販売に携わっている人からの申し込みがある。商品や手数料ビジネスのあり方に疑問があり、有料相談の実情を教えてほしいというのである。
窓口の人が、かんぽ生命の商品ラインナップに「おすすめ」がないと結論づけたのは、「貯蓄目的であれば『個人向け国債(変動10)』を買うほうがマシだし、保障目的であれば他社にもっとよい保険があるから」だという。同感だ。
貯蓄性の養老保険が全体の約6割を占める
かんぽ生命の商品を具体的に見ていこう。まず2014年度末で個人保険の保有契約件数の6割強を占める「養老保険」だ。一定期間の死亡保障に加え、保険金と同額の満期金があるため「保障と満期の楽しみを兼ね備えた保険」と案内されている。
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