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「寺院消滅」の現実 データで見る

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東北地方の山間部にある住職が住まない無住寺。町の中心からは数キロメートル以上離れ、住民の高齢者比率がひときわ高い。数年前のこと、寺の檀家総代は複数の寺を束ねる教区長に向け、こんな手紙を書いた。

「地区では、若い世代が減り、お寺の収入は大幅な減少が予測されます。(檀家)個々の負担は増大するばかりであり、お寺の維持が困難になります。ですので、○○様に引き続き兼務住職をお願いしたい」

檀家が今のままの兼務住職でよいと願い出たのだ。この寺では正住職(専任の住職)を迎える動きがあったが、これまで以上の経済的負担は難しいと断った。葬儀や法要は兼務住職が引き続き執り行っている。正住職が見つかるのは本来、檀家にとってよい知らせのはずだ。しかし手紙は、地域の経済力がそれを支えきれないという事情を物語る。

問題点があらわになった

過疎による檀家の減少、住職の高齢化、住職の跡継ぎ不足──。地方の寺が直面する課題は多い。

たとえば浄土宗は全国に約7000の寺があるが、そのうち987(14%)が過疎地にある。過疎寺院を対象にした調査では、60代以上の高齢者住職の占める割合が56%と半数を超えている。

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