いつやってくるかわからない葬儀の費用を前もって積み立てておき、いざというときに備える──。互助会は、世界でも類を見ない日本独自の仕組みだ。
業界関係団体の推計によると、葬祭市場全体の年間売上高約1.8兆円に占める互助会のシェアは31.4%(2013年)。00年の24.3%から右肩上がりにシェアを伸ばしている。14年に新設された葬祭場は全国に214カ所あるが、このうち互助会だけで約100カ所。各地の専門葬儀社や、近年急速に売り上げを伸ばしている農協系葬儀社と並び「3強」の一角を占めている。
互助会という仕組みは「頼母子(たのもし)講」にさかのぼる。信用できる仲間が集まって毎月一定額を出し合い、掛け金が満期になると輪番あるいは入札でその中の一人が全部の掛け金を使える。互助会は終戦直後、これを葬儀に応用し、将来の葬儀に備え会員同士が資金を積み立てていくシステムに仕立て上げた。
現金収入がまだ少なかった時代だ。横須賀や名古屋で始まったこの仕組みは全国各地に次々と広まった。その後、互助会は徐々に経営形態を整え、現在は大半が株式会社形態を取っている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら