「住職がいなくなったら、父親から受け継いだ墓はどうなるのだろうか」。東京都に住む60代の男性は漠然とした不安を口にする。父親の建てた墓があるのは、東京から飛行機で1時間半、そこから在来線を乗り継いで2時間、駅からタクシーで10分ほどの地方の寺だ。現在は近くに実家がなく、数年に一度法事で会う程度の遠い親戚がいるのみ。寺の住職は高齢で跡継ぎもいない。
地方には、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)が施行される1948年以前から村落が共有しており、県や市への届け出を出し許可を得るという手続きを経ていない「みなし墓地」が多い。大都市圏に人が流出し高齢化が進んだ地方では墓守がいなくなり、こうした村落共有墓地を中心に無縁墓が増えている。
一方で寺院境内や隣接する場所にあり、村落共有墓地より管理や供養が行き届いているとされてきた寺院墓地も、ここに来て跡継ぎがいない、檀家が減ったなどの理由で、墓地自体の存続の不安が出てきた。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら