男性にしても同じで、豪華に過ごすにしろ、堅実に過ごすにしろ、「クリスマスは○○すべき」という、大なり小なりの価値観を持っているはず。そして、カップル間のクリスマスに対する価値観の違いがケンカに発展することもあり、ひいては破局に至ることもあります。
本来、仲睦まじいはずのカップルが、クリスマス1日のとらえ方の違いをきっかけに離ればなれになってしまったら、「メリー(愉快な)」クリスマスでなくなってしまい、本末転倒な1日になってしまいます。
前連載『フェデラー選手も学んだアンガーマネジメント』の第6回「ヒステリック上司になっていないか」で、怒りの感情表出と「べき」の関連性を解説しました。「べき論」とは、理想を実現しなければならないことを強く主張する論調のことで、「そうすべき」「こうあるべき」という論調から「べき論」と呼ばれています。
私たちの持つ「べき論」はすべて正解
私たちは、様々な「べき論」を持っています。たとえば、会社はこうあるべき、子ども(親)はこうあるべき、上司(部下)はこうあるべき、女性(男性は)はこうあるべき、サービスはこうあるべき、教育はこうあるべき、話し方はこうあるべき……など、挙げたらキリがありません。こうした「べき論」と目の前の事実や現実とのギャップがあると、怒りの感情となって表れてくるのです。
それならば、「べき論」の取り扱いを少し変えることができれば、怒りの感情をコントロールしやすくできそうです。しかし、それこそが難しい。なぜなら、私たちが持っている「べき論(価値観)」はすべてが「正解」なのです。
すべて正解とはつまり、「少なくとも本人にとっては」ということ。「クリスマスは豪華に過ごす」も、「クリスマスは堅実に過ごす」も両者正解。本人にとっては至極まっとうなのですから、仲たがいしないためには、その溝をどうにか埋めなければなりません。
ここでアンガーマネジメントが登場します。アンガーマネジメントは技術論。感情の溝を技術で埋めていこうとします。そしてそのテクニックの中に、「カップルダイアローグ」というものがあります。別称を「仲直りのキャッチボール」といい、ルールに沿った会話で、相手と仲直りすることを目指します。
ルールとは、「事実と感情を分けて話す」というもので、結婚セラピーなどでも使われている会話法です。最大のメリットは、会話が平行線をたどっている2人の間で、感情をぶつけ合わずに利用することが出来る点です。
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