大日本印刷が直面する「印刷」の危機、電子書籍に活路はあるか《新「本業」で稼ぐ》

大日本印刷が直面する「印刷」の危機、電子書籍に活路はあるか《新「本業」で稼ぐ》

日本の印刷業界を牽引する大日本印刷にとって、2010年3月期は、大きな転換点となった。1876年の創業以来、業績に貢献してきた出版印刷・商業印刷などの営業利益が大きく後退し、初めて生活・産業事業の後塵を拝することとなったのである。

「そういう時代なのかと感慨深いものがある。お客様から市場価値として認められるものが変化してきた」と研究開発・知的財産を担当する和田隆役員は語る。

同社の生活・産業事業には、商品パッケージなどの包装事業や、住宅建材や車両の内装材などの住空間マテリアル事業が含まれる。そのほかに重要なのが、薄型テレビなどの液晶ディスプレー向けに使われる反射防止フィルムで、これが10年3月期の業績に大きく貢献した。

この事業の歴史はそれほど古いものではない。薄型ディスプレー市場の将来性を予測し、開発に着手したのは1990年のことだ。メーカーから「傷や指紋がつきにくいものを作れないか」「蛍光灯の映り込みを抑えてほしい」といった要望を受けて開発を進め、01年、当時主流だった蒸着技術を使わずに、印刷技術を応用することによって、低コスト化を実現したのである。


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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。