「10年後のグリーについて話そう」 創業10年、過去・現在・未来を語る(4)
山田:新事業をうまく進めていけば、いろいろと広がりがありそうですが、20周年のときは、どういう会社になっていると思いますか。10年もあれば間には、いろいろあると思いますけれども、今から10年後の姿を教えてください。
田中:まずゲームは引き続き大きくなり続けるので、1つの主軸かなと思います、20年後であったとしても変わらないと思います。逆にそれ以外のところで、2本目、3本目の柱をつくっていきたいなというふうに思っています。それはさっき言った、「これネット業界なのかな」というところの新しい分野を開拓して、何かできたらいいなと思います。
山田:ネット化されていないところをネット化していく、という事業は今、多くの会社がやり始めています。そんな中でグリーだからこそ、っていう特徴は何だと思いますか。
世の中に受け入れられることの大切さ
田中:われわれも本当に非常に日々、反省しているんですが、いわゆるネット業界のような気持ちでやってはいけないな、というのを痛感しています。
というのは、最初の話に戻っちゃいますけど、この10年の反省の一つは、ゲーム関係の消費者問題があったと思っているんです。やっぱりあれだけテレビのCMを流しながら大規模にユーザーの方に使っていただいて、しかも大規模な収益を上げていくビジネスとしての自覚が、非常に足りなかったなと思っているんです。もっと世の中にちゃんと受け入れられるようなビジネスに早く変えていければよかったな、という反省を持っています。
ネット化されていないところをネット化していく事業には、それと同じようなものがあるなと思っています。ネットだけで閉じているようなニュースとか、ゲームとか、検索とか、そういったものと、ベビーシッターのようなサービスは、まったく違うものです。もしくはそのことによって生活している人がたくさんいるんだ、ということをしっかり考えないといけない。つまり、ビジネスをやるものには、責任というものがある。そういうことを、この数年を反省する中で感じましたし、今、新しいことをやる中でも感じています。
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