「グリーがやるべき事業領域がわかった!」 創業10年、過去・現在・未来を語る(3)
山田:インターネットビジネスにおけるこれからのテーマ、爆発的に伸びていく分野とは何でしょうか。
田中:1つは、ネットビジネスの拡張です。個人宅を宿泊場所として貸し借りするAirbnb(エアビーアンドビー)や、タクシー配車サービスのUber(ウーバー)をみて、僕はびっくりしたんですよ。思い出したのは、アマゾンのことです。アマゾンを最初に見たときに、みんなが言っていた台詞を思い出したんですよ。「本を売っていますって、それはネットビジネスじゃないよね」とみんなが笑いながらみていたんですよね。
山田:在庫を持つなんてイケていない。在庫で潰れるね、みたいなことを言っていましたね。
ネットビジネスの定義が拡がっている
田中:検索とかOSがネットビジネスであって、本を売るなどというものはネットビジネスじゃない、と言っている人が確かにいっぱいいたんですよ。今、アマゾンはネットビジネスじゃない、って言う人はいないじゃないですか。
それと同じように、5年前の時点で「ウーバーという会社はタクシーの予約をできるんだよ」って聞いたとしら、「それネットビジネスなの?日本交通のサービスじゃないの?」って思ったかもしれない。でも今はそうは思わない。だから今、起きていることというのは、ネットビジネスという定義が、すごい勢いでまた拡がっているんです。
ウーバーを見ていて、もう1つ思ったのは、「これって、やっぱりスマートフォンの時代だから成立するものなんだな」ということです。タクシーの運転手が誰でもスマートフォンを持っていることはあっても、誰でもパソコンを持っているなんていうことは、やっぱりないわけです。そういう意味では、スマートフォンの時代になったことで初めてできたのがウーバーだな、というふうに思ったんです。
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