「グリーがやるべき事業領域がわかった!」 創業10年、過去・現在・未来を語る(3)
田中:今やっていることはいろいろありますけども。それこそベビーシッターのサービスの「スマートシッター」、リフォームの「安心リフォーム いえプラス」などがあります。テーマはいろいろあると思っています。
まさにウーバーのやっていることの変形版が、スマートシッターです。これも、誰しもがスマートフォンを持っていなければ、成立しない。ベビーシッターにとっては、空いている時間をこまぎれに売ることで、自分の所得を得られるということなので、ウーバーにおける運転手のようなものです。ウーバーのような考え方を日本で違う分野に応用したものになります。
リフォームの場合もそうです。やっぱり工務店は、また遍在しているんですよ。で、最適化された労働時間とか、そういうのをわれわれがダイナミックに結合して、ユーザー側から見たときには、一貫したものとして提供することができる。そういったような意味では、似ているようなビジネスかなと思っています。つまり、分野というよりはビジネスの構造に着目しています。
シェアリング・エコノミーにも注目
山田:このビジネスは応用範囲が広いですよね。サービス提供者を組織化していくことで、サービスメニューを増やしていくこともできる。
田中:そうです。このように今までネット業界になかったものをネット化していくのが1つのテーマです。
他にも今後、伸びていくトレンドとして注目しているのは、やはりモバイルビジネスです。これは、まだ始まったばかりだと思います。モバイルが当たり前になってきて、その先にはスマートフォンにこだわらず、いろいろなものがインターネットにつながっていく。インターネット自体が、もっと簡単に安価に使えるようになるので、そこに新しいビジネスが生まれると思っています。
あともう1つがシェアリング・エコノミーというイメージのものです。これを表す言葉があんまりないと思っているのですが、断片化したニーズをマッチングしていくと何かができる。昔で言うヤフオクみたいなものができると思っています。
山田:洋服だってみんなでシェアしちゃえばいい、という考えもありますね。
田中:そういうこともあるかもしれない。これって、結局はユーザーのリテラシーの問題なんですよ。シェアすることに対してみんなの抵抗感がなくなっているということだと思うんですよね。だって昔は他人とシェアすることには抵抗があったじゃないですか。ユーザーのリテラシーの変化というものがあるからこそ、成立するビジネスがあるわけです。
ユーザーのリテラシーの変化ということで、すぐ思い出すのは、僕がSNSをつくり始めた頃です。その頃は、顔写真をネットにアップするなんていうのは、絶対にダメだっていうのが常識だったんですよ。誘拐されるからアップしちゃダメだという人が、いっぱいいた時代でした。その前には、クレジットカードの番号をインターネットに打ち込んじゃダメだという時代がありましたけど(笑)。もはやみんな、そんなことは言いませんよね。それぐらいユーザーのリテラシーが変わっているので、シェアリング・エコノミーというものの中には、ユーザーの価値観の変化というのも含まれていると思っているんですよ。
このへんの3つぐらいのテーマを複合して合わせるようなものが、次の大きなインターネット業界の流れかなと思っています。
第4回に続く
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