こんにゃくを世界に売り込んだ驚異の発想 明治生まれの伝統に革新を加えた職人の気概

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だが、転機が訪れる。ニューヨーク・タイムズ紙がこんにゃくを麺状にした「しらたき」について「ヘルシーでダイエットに良い」と紹介したことだ。欧米ではしらたきが人気となり、今ではフランスやイギリスなどではパスタの代用品として流行っている(編集部註:関西など一部地方では「糸こんにゃく」と呼ばれることもある)

かといって、それだけで石橋屋のこんにゃくが売れたワケではない。石橋さんは、欧米人の舌に合うようなこんにゃくの開発に試行錯誤を重ね、売れる商品を編み出したのだ。

「そば」の製法にヒントを得る

欧米に輸出される石橋屋の主な製品は「雑穀こんにゃく麺」。もともと100年以上続く伝統の製法で作られる石橋屋のこんにゃくは柔らかく、麺に加工して味わうのに不向きだったがこれに常識を覆すアイデアを加えた。ヒントを得たのは「そば」の製法である。

石橋さんはそば打ち道場に通って、こんにゃくの商品開発を進めた。そば職人から教わった美味しさのヒントは打ち立て、茹でたての麺にある「のどごし」。切りたての麺には角が出来る。この角がのどごしにつながっていることに、石橋さんは気がついた。そこで挑み始めたのが、こんにゃくに角を付ける製法だ。

ほうれん草の入った色鮮やかな「雑穀こんにゃく麺」

最初は四角く切ったこんにゃく麺を作ったが、柔らかいため角を出す事が出来なかった。その後も試行錯誤を重ねる。最終的に編み出したのは、麺を星形に切り出したこんにゃく麺だ。ほどよくモチモチ、コリコリの麺は星形に切り出すことによってタレにしっかりと絡み、独特の食感と「のどごし」を出すことができた。

さらに「赤」「緑」「黄」という洋食の3原色を取り入れ「にんじん」「かぼちゃ」「ほうれん草」の入った色鮮やかな「雑穀こんにゃく麺」を開発した。茹でる必要がなく、水洗いだけで食べられる手軽さもうけ、現在では国内外で人気を呼んでいる。

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