シングルマザーが再婚で気を付けるべきこと 子供に胸を張れる理由がありますか?

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絶望の淵から希望を取り戻した星野さんの絵と詩は、多くの人に感動をもたらしました。「体が不自由であろうとなかろうと、生きていく過程でみんな困難にぶつかる。仕事、勉強、人間関係、子育て、境遇は違っても、大変なのはみな一緒」と考える人で、大切なのはその困難に立ち向かうときの心の持ち方だという人です。

首から下がマヒという重度の障害も、結婚の障害にはならなかった人たちに、私は彼の作品以上に、深い感銘を受けたのでした。でも、誰もがこのような結婚感を持てるものではありません。

人工透析患者の結婚は無理?

私の友人に40代から20年間、人工透析を受けている人がいますが、彼女は同時に仕事もずっと続け、子育てもひとりでしました。彼女の話ですと、朝に透析を受けて出勤する人、仕事帰りに透析を受ける人それぞれらしいですが、海外旅行も、旅行先で透析を受けるなどをして可能です。体力も、透析を受けた日はだるいそうですが、個人差があるようですがほとんどの人は、透析日でない日は健常者と変わらない生活をしています。

でも人工透析を、結婚の障害問題にするべきでないと、私が今田様に申し上げられるものでもありません。交際が始まって半年なのだそうですね。結婚をしてもうまくやっていけるかどうかをうかがう期間ですね。早々と彼の病気や価値観の相違などが気になり始めたのですね。

40代半ばにもなりますと、それぞれの生活のリズムが出来上がり、相手に合わせる柔軟性も20代とは違います。再婚を希望する以上、大概の人とは価値観にズレがあるという前提で、お互いに歩み寄る余地の有無に関心を向けるべきです。

人間関係は何よりも誠意が大切

ですから今、私が今田様に申し上げられることは、彼と結婚する気がないのに、せっかく彼のお蔭で宿題をするようになった息子のために、もう少しお付き合いをしたいと考えるのは、よくありません。

彼は病気という弱みがあり、ですがあなたとの結婚を真剣に考えて、あなたの気持ちをいつも確かめてくるのですね。結婚する気がなくなっているのにその意思をあいまいにして、あるいはほのめかして息子の勉強だけは見て欲しいと思うのは、彼を利用することになり、最後はお互いに傷つくだけです。あなたに結婚する気はないけれど、息子の家庭教師だけはお願いしたいといって、引き続き勉強をみてもらえるなら別ですが。

普通、結婚を前提に交際を始めて、その気がないと自覚した場合は、1日も早くそれを伝えるか、1回でも会うのが嫌だったり控えたりするものですが、あなたの場合、まだ迷っておられる段階なのかもしれませんね。迷っているなら迷っていると、誠意をもって伝えましょう。今の彼に対するあなたの「少しずるい考え」は、子供さんも気づく年頃ですね。くれぐれも、子供さんに胸を張れる態度と選択をしてくださいね。

また、これまで一人で何もかも決めてきて疲れたとおっしゃいますが、夫婦そろっている家庭でも、実質一人で育てている人も多く、ここは心の持ち方だと思います。親なら当然の義務と責任だと考えましょう。今まで子育てで一番たいへんな山の数々を、一人で乗り超えてこられたのですから。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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