維新の党、小沢鋭仁氏優遇の結末は? 山梨県の公認を巡って起こったドラマ

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話題性では山梨2区も1区に負けてはいない。自民党総務会長の二階俊博氏は11月29日、大月市で開かれた無所属の長崎幸太郎氏の決起大会に出席し、「自民党公認とか公認でないとか、そんな小さなことはどっちでもいい。みなさんの手で公認してやってください」と長崎氏への支持を訴えた。

「二階氏の行動は反党行為」

これにおさまらないのが、自民党公認候補の堀内詔子氏だ。翌30日には自民党山梨県連は党本部に「反党行為だ」と厳重に抗議。2005年の郵政民営化選挙に始まる両者の闘いは、いよいよクライマックスを迎えることになる。

そもそもの発端は、郵政民営化法案に堀内光雄氏が造反したことだった。光雄氏は通産大臣や自民党総務会長をも務めた大物政治家で、富士急のオーナーでもある。この刺客に立ったのが財務省キャリア官僚だった長崎氏だ。

この時は光雄氏が勝ち、長崎氏が比例復活した。その後、2009年の衆院選は民主党が圧勝したため、両氏は落選。光雄氏は政界を引退し、義娘の詔子氏がその後継となった。

そして自民党に風が吹いた2012年の衆院選では無所属の長崎氏が勝利し、詔子氏は比例で復活当選している。

長崎氏は今回の衆院選でも勝利し、自民党への復党を目指している。これに対し、なんとしても長崎氏を排除したいのが詔子氏側だ。

10月末、自民党は長崎氏に2015年1月の山梨県知事選への出馬を打診した。実はその前日、堀内光雄氏と息子の光一氏が自民党幹部と面会したことが確認されている。この時、堀内サイドは「長崎氏が知事選に出てくれれば、我々は全面的に応援する」と述べたというのだ。

これを「長崎外し」と気付いた長崎氏は申し出を拒否。その結果、自民党は独自候補を擁立できず、すでに知事選に出馬表明している民主党出身の後藤斎氏に相乗りせざるをえなくなった。自民党の「不戦敗」と位置づけられた10月26日の福島県知事選と同じ構図になったわけだ。

2日に始まる衆院選の水面下でさまざまな駆け引きが行われ、ドラマが展開している。これらもやがて、歴史の一部になっていくのだろうか。
 

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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