苦境の「車内ワゴン販売」に未来はあるか こだまでは廃止、在来線特急もサービス縮小

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それゆえ航空会社は収益を上げる手段としてタバコや酒類などの機内販売や、カタログによる通信販売に着目したのであり、鉄道がこれを採り入れた形となる。ちなみに、全日空の国内線機内販売では2014年10月1日より、JR東日本のSuica(および電子マネーが共通利用できる各交通系ICカード)が利用できるようになっている。

「すぐに必要でないものを売る発想」ができるか

2015年春限りで大阪~札幌間の定期的な運転が廃止されると発表された「トワイライトエクスプレス」では、ビジネスユースを考えない観光専用列車、乗ること自体が楽しみとなるような列車というコンセプトが1989年の運転開始より貫かれてきた。そのため、食堂車を基地として行われているジェイアール西日本フードサービスネットの車内販売でも、他の列車とは異なり、乗車記念グッズ類の販売には特に力が入れられている。

中でもユニークなのが、食堂車「ダイナープレヤデス」で使用されているものと同じ、食器類の販売。トワイライトエクスプレスのエンブレムがデザインされた高級品で、コーヒーカップやシュガーポットといった手頃なものや、ケーキ皿やミート皿などがあり、いちばん高いものとしては皿類とコーヒーカップを組み合わせた6万4800円の「ホームセット」まである。

「トワイライトエクスプレス」車内で発注できるオリジナル食器は人気が高い。フルセットがそろえられる写真の「ホームセット」は6万4800円也

実際に食事の時に使ってみて気に入れば、乗車記念として自宅用や進物用として使えるという趣向。車内で注文を受け付け、後日、自宅などへ配送という販売方法だ。

この食器類の販売は、まさに「車内で利用者に対しプレゼンテーションを行い、購入していただく」という方式のビジネス。「トワイライトエクスプレス」の人気と観光旅行の時の解放感からか、1万円以上もするセットでも人気が高いといわれ、息の長い販売実績を誇る。

ジェイアール西日本フードサービスネットではさらに、こうした手法を他の列車における車内販売へも広げ、低迷する売り上げへのテコ入れ策として成果を挙げている。同社広報の言葉を借りると、「車内で必要なものを売るのではなく、車内では必要ないものを売る方向へ発想を転換する」ということだ。

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