苦境の「車内ワゴン販売」に未来はあるか こだまでは廃止、在来線特急もサービス縮小

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こうした傾向に対応するため、車内販売を手掛けている各社(多くは各鉄道会社のグループ会社)は、どのような方策を考えているのだろうか。東北・上越新幹線や常磐線などの特急列車で、座席の背面に「Train Shop」と題した、かなりの厚さがあるパンフレットが差し込まれているのを、見たことがある人は少なくないだろう。

これは、ジェイアール東日本商事が展開している通販事業の一環。インターネットサイトを通じて物販を行うとともに、列車内でも通信販売カタログを配布しているのである。

ジェイアール東日本商事の冊子「Train Shop」。コーヒーなどの飲み物、食べ物、お土産だけにとどまらず、JRの列車内では通信販売や名産品の販売にも力が入る

同社の公式サイトによると、「Train Shop」は2000年7月より発行を開始しており、10年以上の歴史を持つ。主なターゲットはビジネスマンで、鉄道グッズも紹介されてはいるものの、販売品目は高級グルメ、メンズグッズ、ビジネスグッズ、家具・インテリア、日用品・家事雑貨などが中心。一般的な通販カタログの定番取扱商品のジャンルと大きく変わるところはない。

これも広い意味での車内販売と見れば、「コーヒーに缶ビール…」とはずいぶん趣が違う。列車による移動中には時間を持て余し、ついついこうしたパンフレットには手が延びがち。自由に持ち帰ることもできる。商品プレゼンテーションの場として長距離列車を利用するというのも、自然なアイデアだ。

思えばこれは、航空会社の「機内販売」と共通するビジネスモデルだ。飛行機内で座席から動くといえばトイレぐらいしかない。海外旅行客には免税品の需要も大きい。

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