苦境の「車内ワゴン販売」に未来はあるか こだまでは廃止、在来線特急もサービス縮小

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大きくないように見えて、車内販売のワゴンは時に60キログラムぐらいにもなる。揺れる車内でこれを押して歩くのは、女性にとってかなりの重労働である。

このところ駅構内にある「KIOSK」などの売店が、コンビニへと模様替えするケースが相次いでいることも原因として挙げられよう。

設置スペースに余裕がある場合は、ブースタイプによる対面販売店舗から、レジを設けたウォークインタイプの店舗に改装し、取り扱い商品数のアップや効率化を図ったもので、例えばJR東日本では、グループ会社のJR東日本リテールネットが経営するコンビニ「NEWDAYS」が、駅内のみならずホーム上にも進出している。

 東京駅9・10番線ホームのコンビニ。従来の売店から模様替えするケースが最近、相次いでいる

また、大手鉄道会社グループがローソン(東京メトロ、東急など)やセブン-イレブン(JR西日本、京急など)といった既存のコンビニチェーンと提携。ミニ店舗を駅内あるいはホーム上に出店するケースも増えている。

むろん、長距離列車が発着する主要駅における「エキナカ」の発展ぶりは言うまでもない。例えば、東京駅などにある駅弁店「旨囲門」には、東日本各地の人気駅弁が毎日入荷し、現地へ行かずとも入手できてしまう。

要するに、品揃えにおいては車内販売のワゴンより充実しており、人手もかからないコンビニや飲食店、物販店が駅の内外に相当増えたことが、車内販売廃止に拍車をかけていることに間違いはない。

私は東海道新幹線「のぞみ」でしばしば新横浜~新大阪間を往復するが、2時間10数分の乗車時間のうちに、車内販売が回ってくるのはまず2回まで。混雑している(イコール呼び止める客が多い)列車だと、1回のこともある。 飲みたい、食べたい時に、すぐワゴンがやってくる状況ではない。

ならば、乗車前に駅で飲みたいもの、食べたいものを入手しておく方がストレスもなく、選択肢も広がってよい。そういう理屈になってしまう。

次ページ車内販売の巻き返し策は?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事