苦境の「車内ワゴン販売」に未来はあるか こだまでは廃止、在来線特急もサービス縮小

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特急「やくも」は、すでに2009年に車内販売を廃止

「コーヒーに缶ビール、お弁当にお土産品はいかがですか?」

かつて、特急列車の車内では、こうした呼び声とともに車内販売のワゴンが回ってくるのが当たり前であった。そして、長旅の「オアシス」として、親しまれてきたものだ。ついつい呼び止めて、コーヒーの一杯も買ってしまう。

こだまは車内販売「廃止」、ワゴン販売は風前の灯?

ところが最近、こうした"伝統的"な車内販売が急速に姿を消しつつある。別表では、車内販売を廃止した主な特急をまとめてみた。東海道・山陽新幹線の「こだま」や北陸本線の「サンダーバード」といった列車であっても、今はワゴンが回ってこないのだ。

大阪駅ホームの特急「サンダーバード」の車内販売廃止を告げる掲示

「スーパーはくと」や「しおかぜ」のように、車内販売の廃止と復活を繰り返している列車もある。売り上げの減少と「車内販売がないと不便、寂しい」という声の板挟みになっている状況がうかがえる。

車内販売が残る列車には「東高西低」の傾向があり、JR東日本では新幹線・在来線問わず、まだ広く実施されているのに対し、JR東海の在来線特急では全廃。JR西日本の在来線とJR四国では風前の灯火だ。

あっという間に凋落した背景には、もちろん収益性の悪化がある。販売そのものに手がかかるのはもちろん、列車への販売品の積み下ろしにもかなりの人手を要するのも一因だ。

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