モバイル革命は、100年で3度目の大変革だ 起こりつつある「E2E経済」の衝撃
最初に、次のような風景を想像してみて下さい。
工場にいる従業員が手にしているモバイル端末のアラームが鳴りだしました。従業員が端末の画面を見ると、すぐ近くに、今すぐメンテナンスしなければならない製造装置があるという本社からの通知連絡です。従業員はその製造装置のメンテナンス方法を知りませんでしたが、遠隔地にいる専門家が、従業員のモバイル端末のカメラと画面を通じ、メンテナンス手順のガイドをリアルタイムに提供したため、従業員はそのガイドに従って素早く作業を完了することができました。
工場火災後の保険査定はどうでしょうか。火災後に現場にやってきた査定担当者はモバイル端末のカメラで写真やビデオを撮影し、その場で遠隔地にいる保険査定の専門家や承認者と共有しながら会議を行います。もちろん、会議の内容は自動的に記録されます。
もうひとつ事例をあげましょう。公共交通部門の行政担当者が、橋梁の損傷を示す画像とビデオを受け取りました。それらは、通勤中の市民が自らのモバイル端末で撮影したものです。行政の担当者は、市民から寄せられた情報に基づき、早速その日の業務の優先順位を見直して、橋梁の損傷を補修するために必要なスキルをもったチームを数時間以内に派遣することができました。
これらはほんの一例です。急速に進むモバイル端末の普及とデータ分析の習熟にともない、近い将来には、さらに多くのことができるようになるでしょう。
組織の運営方法が変わる
モバイル技術によって、人々の関わり、コミュニケーション、買い物、生活のあり方には大きな変化が、すでにもたらされています。そしてまもなく、企業や行政機関などの組織の運営方法においても、変革が求められるようになります。
しかし、モバイルによる変革は、他のことと無関係に生じているわけではありません。急激な経済改革を引き起こしている、より広範な破壊の一部として生じているのです。このような、より広範な改革を、「everyone-to-everyone経済(E2E経済)」と呼ぶことにします。
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