デニムの神様が語るユニクロデニム「凄さ」の本質 デニム生地最大手と古くから協業し、研究開発

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1950年代に入ると、学生服に使用していた生地がたちまち綿から、ナイロンやテトロンなどの合成繊維に替わっていき、学生服の生産は減少。そんな時、困った綿生地工場が突破口として見出したのがデニム作りでした。1970年には、国内の75%の生産量を誇るまでに成長したそうです。

現在の岡山県では、デニム作りに必要な染色や織布など、最終的な仕上げに至るまで一貫生産の基盤ができており、全工程を岡山県内で完結させることができます。それぞれの工程を得意とする工場同士が連携を図ることで生み出されるデニムコレクションの数々は、岡山県でしか作り得ないまさに珠玉の逸品。その優れた品質は、国内はもちろん、海外からも絶大な支持を獲得しているのです。

世の中的にSDGsが叫ばれていますが、岡山県のデニム産業は以前から、例えば染料を洗い流す際に使用する水の量を約半分に減らしたり、また使用した水を再利用するなど、多くの企業がサスティナブルなデニム作りに取り組んでいます。品質の高いデニムを生み出しつつ、環境に配慮したもの作りをする真摯な姿勢には、本当に頭が下がります。

自身がディレクターを務めるヤヌークをはじめ多くの人気ブランドを手がける総社カイタックファクトリーを視察。ヤヌークとのコラボレーション企画では、色落ちをデータで再現する作業のディレクションを行う(出所:『日本人が見出したヴィンテージの価値 教養としてのデニム』)

ユニクロデニムの「凄さ」

今、日本で最も穿かれているデニムは、間違いなく「ユニクロ」のデニムです。『教養としてのデニム』の歴史を、また現代のデニムシーンを知る上で「ユニクロ」のデニムは避けては通れないトピックです。

同じデニムでも市場価格ではヴィンテージが1本1000万円を超えるのに対し(極端な例ですが)、「ユニクロ」は税込3990円で、しかも色落ちや穿き心地など品質が素晴らしいわけですから。

私のように細かなウンチクや歴史などにこだわらず、それこそ「ユニクロ」が提唱する”LifeWear”として使うなら、「ユニクロ」のデニムで十分、と言いますか、お釣りがくるほど品質としては高いです。ヴィンテージ専門の私にとって「ユニクロ」のデニムは門外漢ではありますが、知り得る範囲でお話をさせていただきます。

1984年に広島市内に「ユニクロ」1号店がオープン。その後、創業地である山口県宇部市を中心に、西日本のさまざまな地域に出店し、少しずつ業績を拡大していき、1991年には社名を「ファーストリテイリング」に変えると、2〜3年後には国内直営店舗は100店を突破。すごい勢いです。そして、2008年頃より到来するファストファッションのトレンドを牽引します。

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