デニムの神様が語るユニクロデニム「凄さ」の本質 デニム生地最大手と古くから協業し、研究開発
数多く展開する「ユニクロ」のアイテムの中でダウンやフリース、ヒートテックなどと並んで特に人気を博したのがデニムでした。2016年にはロサンゼルスに、デニムの研究開発を行う専門施設「ジーンズイノベーションセンター」を自社で創設するなど、本腰を入れてオリジナルデニムの開発に取り組んでいるのですが、パートナーシップを築いているのが、日本のデニム生地の最大手である「カイハラ」です。
「カイハラ」は、1893年に広島県福山市で創業した老舗で、国内では唯一、デニムの紡績から染色、織布、製品加工に至るまで、一貫して自社生産を行っている企業です。
世界トップクラスのメゾンからオファーが殺到するほど、デニム生地の品質は世界最高峰。「ユニクロ」との協業は1998年からスタートし、ベーシックなストレートデニムやストレッチのきいたセルヴィッジデニムに至るまで、数多くの商品の生地開発・製造をしています。
さらにこの協業では近年、サスティナブルかつエシカルな製品作りに注力しており、水の使用量を従来に比べて大幅に減らし、またリアルなヴィンテージ加工も最先端のレーザー機器で行うことで、人の素肌にも地球環境にも優しいデニム作りを展開し、業界内外から注目を集めています。
また、ファッションデザイナーのジル・サンダーを招いた「+J」を皮切りに、「エルメス」でデザイナーを務めたクリストフ・ルメールとの「ユニクロ ユー」、「ロエベ」の現アーティスティック・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンとの「UNIQLO and JW ANDERSON」など、世界的メゾンのデザイナーとオリジナルレーベルを展開しています。コストパフォーマンスのみならず、ファッションアイテムとしての完成度が高いのだと思います。
私自身は「ユニクロ」のデニムについて、いい悪いという感想はとくに持っていません。ただ「ユニクロ」のデニムといえば、日本はもとより、世界でも通用するアイテムです。同じデニム業界でもヴィンテージと新品で畑こそ違いますし、何より企業としての規模も違いすぎるので偉そうなことは言えませんが、デニムシーンを盛り上げていただいているという意味では、大変心強いと思っています。
SDGs時代の「デニムの未来」
「サスティナブル」や「エシカル」、「アップサイクル」などという言葉が身近になって久しいですが、デニム業界の現場でもそれらの言葉が最近多用され、デニムの製造や販売でも大きな影響を与えています。一連の大きな流れの根本にはSDGsの存在があると思われます。
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