「18歳のおカネ」成年年齢引き下げで狙われる危険 4月から「未成年者取消権」が使えなくなる

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国民生活センターによれば、全国の消費生活センターなどに寄せられる相談件数では20歳代の相談件数が未成年者と比べて多い。成年年齢引き下げにより、今後は18歳、19歳の被害も増えていくだろう。

全国の消費生活センターなどに寄せられた相談やこれまでの若者関連の公表資料などから、新たに成年になる18歳・19歳の方に向けてとくに気をつけてほしい消費者トラブルを10種類に分けて国民生活センターが発表している。

1、副業・情報商材やマルチなどの"もうけ話"トラブル
2、エステや美容医療などの"美容関連"トラブル
3、健康食品や化粧品などの"定期購入"トラブル
4、誇大な広告や知り合った相手からの勧誘など"SNSきっかけ"トラブル
5、出会い系サイトやマッチングアプリの"出会い系"トラブル
6、デート商法などの"異性・恋愛関連"トラブル
7、就活商法やオーディション商法などの"仕事関連"トラブル
8、賃貸住宅や電力の契約など"新生活関連"トラブル
9、消費者金融からの借り入れやクレジットカードなどの"借金・クレカ"トラブル
10、スマホやネット回線などの"通信契約"トラブル

「金銭」トラブルには要注意

筆者が最も注意すべきだと思うのは、やはり「金銭関係」のトラブルだ。

18歳にもなると自分でアルバイトをして稼ぐ人も多くなり、その分、交友関係の中で使うお金の量も増えてくる。遊ぶ時間も勉強の時間も必要なのに、さらに働いて稼がないといけない。こうなってくると、どうしてもおいしい話にだまされやすくなってしまう。

過去にも紹介(参照:『うまい投資話に乗る人がこうも後を絶たない理由』)したが、一時期大学生の間ではやっていたのが、USBメモリー詐欺だ。

USBメモリーを買い、入っている投資システムを利用すれば儲かるというもの。この詐欺はタチが悪く、いわゆるネズミ講の仕組みも持っている。自分が出資したり、USBメモリーを買ったりした後にだまされたと気づいても、何人かを勧誘すれば、キックバックによって支払った金額が回収できるのだ。自分が被害者にもなり、加害者にもなってしまうというものであった。

「元本保証」や、「絶対に儲かる」という言葉にはとくに注意しよう。

それ以外にも注意すべき詐欺は多い。例えば、人間関係が広がっていく年齢でもあり、異性を意識することも増えることから、医療・美容系、または健康食品や化粧品の詐欺も多い。

昨今はSNSが全盛のため、過剰な演出をした広告を見たり、いわゆるインフルエンサーの情報を鵜呑みにしてしまったりして、まったく効果がない、または逆効果になるような商品や施術に高額のお金を払い込んでしまう被害が後を絶たない。

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