そして、この台本に台詞が書かれていないフリートークゾーンが差し込まれ、トークバトルが終わると、ドラマ本編に戻り、それを繰り返していきます。
ともすれば、ドラマもトークも中途半端になる可能性が大きいわけですが、不思議とトークもドラマもそれぞれ邪魔をしません。言うなればラーメンもご飯も美味しく完食。しかも、胃もたれなし。ある種の緊張感の中から笑いを生ませたことで、その効果があったように思います。
トークの裏にあった「地獄の会議」
番組が成立した理由をトーク部分に絞って、もう少しだけ掘り下げます。
ドラマの事件解決の手がかりを得るという恰好で、学園の生徒、刑事たちに扮した芸人らが全力で持ちネタのエピソードトークを繰り広げるわけですが、大喜利形式のお題は「傷ついた話」から「誰にも言えない秘密」「とっておきのタレコミ」「人から言われてショックだった言葉」「理不尽な悪に叫びをあげる」など。中心となる千鳥の2人は言うまでもなく、これに参戦する人選のセンスの良さがこの番組の肝でもあります。ちなみに、大悟がドラマと共にトークの参加者となり、ノブは立会人としてツッコミを入れながら、見守ります。
学園編では劇団ひとり、飯尾和樹(ずん)、塚地武雅(ドランクドラゴン)、田中卓志(アンガールズ)、板倉俊之(インパルス)が安定感のある笑いで序盤戦を盛り上げ、また紅一点の峯岸みなみが、自虐ネタまで披露してバトルに挑むのが印象的です。刑事篇ではケンドーコバヤシ、春日俊彰(オードリー)、近藤春菜(ハリセンボン)、狩野英孝、岩井勇気(ハライチ)、向井慧(パンサー)など個性ある面々から笑いの神が降り、お笑い第7世代のヒコロヒー、渡辺隆(錦鯉)、イワクラ(蛙亭)なども果敢に挑み、この芸人一色の中にモデルでタレントのアンミカも参戦します。
ドラマとトークを合わせた全体の撮影期間は約1カ月半。そのうち、売れっ子の芸人たちを大集合させたトークパートは4日ほどで撮りきっています。その現場の裏で「地獄のような会議があった」とプロデューサーの佐久間氏が明かしています。トーク戦が終わった直後、誰を敗者とするのか決めるこの作業が過酷だったとのこと。
「トークの評価を紙で一覧表にして、15分ほどで決めていきました。誰を落として、残すのか、同時に編集も考えながら、スタッフと喧々諤々の話し合い。どのエピソードも面白く、現場で決めなければならなかったのが大変でした。それに、芸人は芸人で一日いるのか、途中で返されるのか、わからない状態。過酷だったと思う」(佐久間氏)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら