子どもたちは、自分たちだけではなく、動物も含めた平等意識のなかで生きていく。そして考えねばならないのは、彼らがこれから消費者になっていく点だ。
もちろん平等意識や漂白化は子どもたちだけではなく、社会人にも広がっていく。
ところで話を変えるようだが、コロナ禍以前、私が欧州に出張して驚いたのは、いわゆる女性たちが接待してくれる店がないことだ。正確には日本人やアジア人向けの店がないわけではない。ただ圧倒的に少ない。
彼らは共働きで仕事が終わったら帰宅する。男性たちだけで2次会、3次会でカラオケ、スナック、キャバクラという文化はない。個人的にはありがたい。私はカラオケにほぼ行かず、行っても歌わない。キャバクラも行きたくない。ただ欧州を見て、日本の男性偏重を知った気がした。
ジェンダーニュートラルな時代
もしそうならば化粧品の概念も変わらざるをえない。女性だけが化粧するのもおかしい。世界にコンテンツを輸出するK-POPの男性アーティストたちが積極的にメイクをするのは当然だった。さらにメイク関連商品の宣伝に男性アーティストたちが採用される機会が増えてきた。
日本では「ジェンダーレスコスメ」というフレーズを目にすることが多くなってきた。ジェンダーニュートラルを狙い、化粧水などの保湿商品だけではなくマスカラ、リップなども扱う。もちろん前述のとおり商品材料の選定にもぬかりなく、多くのブランドは植物由来の原料を喧伝する。動物実験も禁止しており、人権ならぬ“動物”権にも配慮したかっこうだ。
ジェンダーを差別的に扱った宣伝広告は炎上し企業の評判を落とす。ただ積極的な意味においても、マーケティングでもジェンダーニュートラルは欠かせない要素になってきた。「繊細男子」という単語があるが、男性が繊細でいけないはずはなく、これも過渡期の単語となるだろう。
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