頭のいい子が育つ「算数パズル」知ってほしい魅力 能力を伸ばす以上に「考えることを好きにさせる」

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答え

重い順に
1位  いちご
2位  さくらんぼ
3位  ラズベリー
4位  ブルーベリー

問題文のなかに、ブルーベリーの重さについてのヒントがなかったことに、気づいたでしょうか。このパズルは、それがなくても、ブルーベリーの順位が決まるところが面白さの1つです。大人でもかなり手こずる、難易度が高めのパズルですが、重さを比べる算数パズルに親しんでいる子なら、解くことができます。

一般に、4つの重さの違うものを重い順にA、B、C、Dとすると、重さは

A>B>C>D

と表せます。

これらから2つを選んで組み合わせたとき、いちばん重い組み合わせと2番目に重い組み合わせは、

いちばん重い組み合わせ A+B
2番目に重い組み合わせ A+C

で、これ以外はありえません。

条件を絞っていくことで「これ以外ない」答えに

問題文を見ると、「いちごとさくらんぼをのせたときがいちばん重く」とあるので、いちごとさくらんぼのどちらかが1位の重さで、もう一方が2位の重さとわかります。

問題文の続きは「いちごとラズベリーをのせたときが2番目に重く」とあるので、いちごとラズベリーのどちらかが1位の重さで、もう一方が3位の重さであるとわかります。

『考える力がつく算数脳パズル なぞぺー① 改訂版』(草思社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

以上2つの条件から、いちばん重いのがいちごで、2番目に重いのがさくらんぼ、3番目がラズベリーと確定します。のこったブルーベリーは「4位」以外にありえないとわかります。このパズルには、条件を絞っていくことで「これ以外ない」という答えにたどり着けるという気持ちよさがあります。

さて、最後に1つ、大事なことをお伝えしたいと思います。

算数パズルは、パズルを解いて能力を伸ばすということ以上に、考えることを好きにさせることが目的です。その点で最も大事なのは、保護者の言葉です。

引っかかっているときに、気ぜわしく「ほら○○でしょ」と、答えに導こうとあせったりせず、子どものペースで考えさせる。また「何でわからないの」とか「何回いえばわかるの」などと、感情的な言葉や否定的な言葉で追い込むことは、まさに「伸びる芽を摘み取る」行為です。

やる気の中で、のびのびと解かせる。これが大切です。

高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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