モノが少ないほうが「料理の腕が上がる」納得理由 電子レンジは不要、「油と塩」さえあればいい
必需品だと思っていたのに、なければないでまったく問題なかったものの1つが電子レンジだ。根菜を調理前にやわらかくしたり、冷凍食品や残りものをあたためたり、毎日幾度となく使ってきた。
でも正しい調理法を知れば、野菜をやわらかくすることはそう難しいことではなかったし、実はフライパンで調理したほうがおいしい冷凍食品もたくさんあった。残り物は鍋であたためればいいだけ。
しかしここで問題が。残り物をあたためることでその鍋を洗う手間が1つ増える。たった1つでも、その1つが面倒。だから最終的にどうなったかというと、残り物自体が自然と減っていった。なるべくその日に食べてしまったり、ちょうどいい分量だけ作ることにしたり。
残り物がないと冷蔵庫がかなりすっきりするし、ラップも使わなくてよくなる。電子レンジをなくすことで思った以上に多くのよい影響があった。電子レンジのバタフライエフェクトと呼ぶことにする。
※ バタフライエフェクト……ささいなことがさまざまな要因を引き起こした後に、大きな事象の引き金につながることがあるという予測不可能な現象の例え
おたまは1つあれば十分
シンプルライフに挑戦する前は、おたまを8つも持っていた。どんどん買い足していったという実感もなく、生きていたら自然と集まっていたのだ。そんなわけないんだけど、そんな感覚だ。おたまが8つもあれば引き出しはいつも大混雑で、ガッと引っかかっていらいらすることもしばしば。
ほとんど何も持っていないところからスタートしてついにおたまを手に入れたとき、なんて便利なんだ!と思った。そうそう、この角度で、この量の汁を! すくいたかった! かゆいところに手が届く喜びに思わず目を見開く。おたまを8つ持っていたときには、皮肉なことにおたま本来の素晴らしさを忘れていた。ああ、ありがとう。こんな便利なもの、1つ使わせていただければ十分。1つしかないからこそ愛せるし、1つしかないからこそよさを忘れずにいられる。
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