「なんとなく亜鉛サプリを飲む人」に潜む危険性 必要な栄養素をサプリで補うのは正しいが…

拡大
縮小

少なくともこれからみなさんがサプリメントを利用されるのであれば、商品のラベルやホームページを見て、もしくはお客様相談室に問い合わせをして、「GMP(Good Manufacturing Practice)基準をクリアしているかどうか」を確認してみてください。

GMP基準とは「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」のことであり、厳しい審査をクリアしているという証しになります。

60歳を過ぎると、心身が急激に老いに向かっていく

ちなみに、早い人は60歳を過ぎたころから「フレイル」(加齢により体や心が老い、虚弱になった状態)になり、65歳以上の20~25%の人がフレイルであるとの調査結果もあります。

50代までとは違い、60歳を過ぎると、ホルモンバランスの変化や生活の変化などの影響を受け、心身が急速に老いへ向かっていくからです。

フレイルに、そして要介護にならないために、何よりも大事なのは、自分で自分の体の状態を知り、「老いに負けない体」を作ることです。

そして、そのために必要なのが、5つの健康常識です。

①ホルモンを補充して、心身の老いを防ぎ、健康に生きる
②ミネラルを補充して、免疫力を高め、感染症やがんなどの病気を遠ざける
③正しいサプリメントの飲み方を知り、体内を健康に整える
④朝食重視の食生活に変え、健康と長寿を手に入れる
⑤夜間頻尿を改善して、睡眠や生活の質を高める
『60代からの最高の体調 ミネラル・ホルモンで「老いない体」を手に入れる』(アスコム)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私は今まで、泌尿器科医として、新宿医師会の会長として、クリニックにいらっしゃる患者さんや地域のみなさんの体や心と向き合ってきました。

その中で非常に強く感じたのが、60代以上の人が心身の健康や若さを保ち、いつまでも元気に暮らすために、本当に必要な情報があまり知られていないということ、そのために心身の不調を感じたり、病気にかかったり、フレイルに陥ったりしている方がたくさんいらっしゃるということです。

人生を長く、健康に楽しむために。サプリメントだけでなく、最高の体調を保つための5つの方法を知ってもらえたらと思います。

平澤 精一 医師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらさわ せいいち / Seiichi Hirasawa

日本医科大学卒業。日本医科大学大学院医学研究科にて、医学博士号取得。日本医科大学付属病院、三井記念病院などの勤務を経て、1992年に「マイシティクリニック」を開業。2014年から東京医科大学地域医療指導教授として医学生の教育にも関わる。現在では新宿区医師会会長をつとめ、東京都医師会、新宿区医歯薬会、新宿医療行政関連の委員、役員を兼任。所属学会・医学会は日本泌尿器科学会、日本性感染症学会、日本メンズヘルス医学会、日本抗加齢医学会等多数。健康寿命に深くかかわる「テストステロン」の研究者として、「熟年期障害」の治療、高齢者の健康を守る取り組みを数多く実践してきた。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT