新ノア&ヴォクシー、アトレー車中泊仕様を急ぐ訳 キャンピングカーメーカーが新型車に注目する

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バンテック新潟が手がけた新型ノアの室内(筆者撮影)

ここで紹介した各メーカーでは、いずれもベース車両を可能な限り早く入手し、急ピッチで車中泊仕様のキャンピングカーに仕上げている。例えば、ノアを手がけたバンテック新潟では、地元の販売ディーラーに頼み込み、発売日の2022年1月13日に納車してもらい、わずか1カ月で仕上げている。

またアトレーの場合も、予想以上に受注が入っていることと、部品不足による生産の遅れにより、注文から納車までには3カ月程度かかるともいわれている。アトレーのミニチュアクルーズを展示した岡モータースでは、「製作期間はわずか2週間」だったという。本格仕様ほど大がかりなカスタマイズではないにしろ、1台1台をほぼ手作りするため製作期間が長いキャンピングカーとしては異例の早さだ。

それほどまでに苦労をして、各社が当イベントにデモカーを間に合わせた背景には、新型のノア&ヴォクシーやアトレーが、キャンピングカーとしても大きな注目を集めていることが挙げられる。

先代から変わらぬ人気、その理由は運転のしやすさ

従来ノア&ヴォクシーのキャンピングカー仕様を製作・販売してきたバンテック新潟によれば、「先代モデルでもかなり人気が高かった」という。とくに今回製作したようなミニバンの車中泊仕様は、「高齢の愛好家から若いファミリー層まで、幅広いユーザーが購入していた」という。理由は、運転が比較的楽で、普段使いもできることだ。高齢ユーザーのなかには、本格的なキャンピングカーに乗っていた層も多いが、年齢を重ね、車体が大きく狭い道路などでは運転しづらい本格的なモデルよりも、「普通に乗れる車中泊仕様のほうが、気軽に旅ができると考えるユーザーも多い」という。

また、若い層には、近年のアウトドアブームで参入してきたキャンピングカー初心者も多い。やはり、いきなり大型の車両に乗るよりも、純正ボディとほぼ同じサイズである車中泊仕様のほうが、「普段の感覚で運転できることで好まれる」傾向にある。加えて、これも前述した駐車場についても、とくに都市部に住むユーザーにとっては、大型モデルを駐車できる場所はなかなかなく、あっても駐車場代が高いため、おのずと「普通サイズの車中泊仕様に人気が集まる」のだという。

同社では、新型のノア&ヴォクシーについても、こうしたユーザーの需要が高いとにらみ、例年2万人以上が集まり、多くの愛好家にアピールできる当イベントに間に合わせたのだという。

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