新ノア&ヴォクシー、アトレー車中泊仕様を急ぐ訳 キャンピングカーメーカーが新型車に注目する

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新型ノア&ヴォクシー搭載のアドバンストドライブのイメージ(写真:トヨタ自動車)

また、同社担当者は、新型のノア&ヴォクシーは「安全装備や運転支援システムがアップデートされたことも、キャンピングカー愛好家に注目されている理由だ」と語る。とくにユーザーから注目されている新機能は、渋滞時支援機能の「アドバンストドライブ」と、リモート機能付きの「アドバンストパーク」だ。アドバンストドライブは、自動車専用道路での渋滞時(0km/h~約40km/h)に、ドライバーが前を向いているなど一定の条件下で、いわゆる「手放し運転」を可能とする機能だ。

また、先代モデルにも搭載されていたアドバンストパークは、駐車時にスイッチを押すだけで、クルマがハンドルやアクセル、ブレーキ操作を制御して、自動で駐車を行う機能だ。新型では、並列駐車時の支援を拡大し、従来のバック駐車に加え前向き駐車に対応することで、前向き/バック出庫が可能となった。さらにハイブリッド車では、車外から専用アプリをインストールしたスマートフォンを操作することで、駐車および出庫が可能なリモート機能も装備されている。

多くのユーザーは、こうした新型の便利機能が旅先でも運転などの疲労を軽減してくれることを期待し、キャンピングカーとしても注目しているという。

数ある軽自動車の中でもアトレーが人気の理由

新型アトレーをベースにしたラクネル「VANTOUR ATRAI Ver.(バンツアー・アトレー バージョン)」の車内(筆者撮影)

一方の新型アトレー。今回、車中泊仕様を製作した3社が、多くのユーザーに注目されている理由として異口同音に挙げたのが、ライバル車であるスズキの商用バン「エブリイ」と比べ、商品力がかなり向上した点だ。

まずは、パワートレイン。新型は、モデル初のCVTを装備し、最高出力64psを発揮する直列3気筒ターボエンジンを全グレードに搭載することで、走りがよりパワフルでスムーズとなった。対するエブリイは、最上級グレードの「ジョインターボ」のみがターボ車で、ほかのグレードはNA(自然吸気)。最高出力もターボ車はアトレーと同じ64psだが、NA車は46ps。排気量が660ccしかない軽自動車の場合、長距離移動や重い荷物を積載した際には、走りに余裕があったほうが運転のストレスも少ない。それは、キャンピングカーの旅でも同様だ。多くのユーザーは、こうした移動の快適さを新型アトレーに期待しているのだという。

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