ウクライナから脱出する男性「今心配している事」 現地を離れる人、遠くから家族見守る人の思い

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ただ、まったく問題がないわけではない。あまりに短期間に多くの人がそれぞれ“支援”を行ったので、混乱やミスマッチなども生じているようだ。以前から難民のサポートを行っているボランティア団体「Fundacja Ocalenie」は、27日朝の段階でFacebookページに「食品、化粧品、衣料は足りているのでこれ以上持ち込まないでほしい。人や物資の輸送に関しては、まずは各受付窓口で相談してほしい」と投稿している。

中東からの難民との“格差”を指摘する声もある。ポーランドでは昨年、ベラルーシとの国境の森に中東からの難民が大勢押し寄せ緊張が高まった。その時、ポーランド政府は国境沿いに有刺鉄線の柵を設置。さらにその一帯に緊急事態宣言を発令し、メディアや支援団体などの立ち入りも厳しく制限した。国境間で立ち往生し、寒さと飢えで衰弱死する人も出たが、世間の関心は低かった。

Fundacja OcalenieはFacebookの投稿で次のように述べている。「肌の色や信条、民族で難民を差別しない国に私たちは住みたい。今こそ、そのようなポーランドを作り始めるべき時なのかもしれない」。

難民支援は長期戦を覚悟すべき

また、難民支援は一時的なムーブメントでは済まないことも意識すべきだろう。ダリアさんに「ポーランドにたどり着いたウクライナ人はどう感じると思うか」と聞いてみた。

「ポーランドの人たちの温かい支援は想像以上。本当に感謝しています。ウクライナから逃げてきた人たちはポーランドに着いたらほっとするでしょう」

しかしながら、それはほんの一瞬だという。仕事や家など生活の基盤を捨てて逃げてきたわけだが、すぐに帰ることができるのか、何年も戻れなくなるのか、現時点ではなんとも言えない。UNHCRが「ヨーロッパで今世紀最大の難民危機になる可能性がある」と警告した問題はまだ始まったばかりなのである。

ミハシヤ ジャーナリスト、PRプランナー

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Michasia

大学卒業後、出版社勤務を経て独立。新聞、雑誌などの記事広告をメインに執筆。キャリアは約30年。得意分野は金融・ビジネスなど。2017年より拠点をポーランドのワルシャワに移し、ジャーナリスト、及びPRプランナーとして活動。現地のスタートアップ事情にも詳しい。

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