ウクライナから脱出する男性「今心配している事」 現地を離れる人、遠くから家族見守る人の思い

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「第一言語がロシア語だろうがウクライナ語だろうが、私たちは1つの国。まぎれもなく私はウクライナ人です」(ダリアさん)

むしろ、同じロシア語話者でもロシア人とウクライナ人はメンタリティが大きく異なると語る。「ロシア人は過去の栄光にとらわれがちな部分があると感じますが、ウクライナ人は過去ではなく未来を見ています。そこは大きな違いでしょう」 。

また、ダリアさんはロシアの人に対して少しきついことも言っている。

「プーチン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領のようにフェアな選挙で選ばれたわけではなく、今回の侵攻は“プーチンの暴走”でロシアの民衆に責任はないと言っている人もいますよね。侵攻そのものに対してはそうかもしれません。でもウクライナは2014年の市民活動で戦い、多くの血を流し、“自分たちの大統領”を選出できる体制を勝ち取ったんです。ロシアはプーチン体制を放置してしまったことに対する責任はないのでしょうか?」

逃避者への支援が手厚いポーランド

最後に筆者が住むウクライナの隣国・ポーランドの状況について少し述べておきたい。

実際に侵攻が始まるまで、ポーランド人の大半はロシアが本当に戦争を仕掛けてくるとは思っていなかった。国境を接しているとはいえ北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドは、ウクライナとは置かれている立場がまったく異なる。24日に軍事侵攻のニュースが流れてもそれほど緊迫した雰囲気ではなく、様子見をしているような状況だった。

もちろん政府やボランティア団体などは侵攻当初から支援策を進めていたが、25日になるとそこに一般市民が加わった。Facebookでは数多くの支援グループが立ち上がり「ウクライナの人たちを助けよう!」は、国を挙げてのムーブメントの様相に。ポーランド人自身も「国民がこんなに熱く一丸となったのは初めてじゃないか?」と言うくらい、支援の輪は短時間で爆発的な広がりを見せた。

無料の医療、食料、衣服、宿泊施設、国境の街から大都市までの交通機関など、自国から逃れて来たばかりの難民に対する支援として考えられるものはほとんど揃っている。ペットを連れての入国も可能など、かなり細かいところまで行き届いている。

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