一方のエリーも複雑な事情を持つ少女です。彼女は寄生菌が世界に広まってから生まれており、さらに特別な秘密を持っています。そのためか、周囲の人にあまり心を許していないようです。
こうして、パンデミックによって大きく傷ついた2人の旅がはじまります。当然ながらはじめはうまくいかないことばかり。しかし、何度も死地をくぐり抜けるうちに2人の間には絆が生まれ、ジョエルは子どもへの愛を、エリーは大人への信頼を取り戻していきます。
「映画のようなゲーム」というと、ムービーを見ている時間が長いかのような印象を受けるかもしれません。しかし、『The Last of Us』はゲームとして非常によくできているのです。
ゲームとしてはまったく容赦のない作り
本作で敵として登場する感染者はとにかく危険です。クリッカーと呼ばれる感染者に捕まると、なんと一撃死。まったく容赦のない作りで、ゲーム中はいつも緊張が張り詰めています。
当然ながら銃弾は限られた数しかなく、あらゆる材料を拾い集めて武器となるものを作らなければなりません。まさしくサバイバルの名がふさわしい体験になっているでしょう(とはいえ、イージーモードも用意されています)。
もちろんムービーも随所に挿入されるのですが、映像を見たあと操作する場面へ移行するときにまったく違和感がないよう作られています。また、ゲームは操作できないシーンが長すぎると退屈になってしまうのですが、本作はそうならないよう十分に気を使っています。
キャラクターの息苦しそうな表情や荒れ果てた世界の描写も見事なものですし、隠れながらゆっくり進まなければならないのにストレスにならないような作りになっており、ストーリーも過不足なく描かれています。大作だけあって、どの部分を見てもかなりのクオリティになっているのです。
逆に、よくできすぎて困ってしまうケースもあります。前述のように本作はストーリーも重く、ゲーム体験にも緊張感が張り詰めています。そのため、「いいゲームだけれども、胸がいっぱいになってコントローラーを持てない」と言う人もいるほど。ゲームはただ見ているだけでなく自分で操作して体験するので、そのおもしろさや重さも格段に大きいのです。
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