上場後初の決算は減益、リクルートの課題 株式市場は厳しい評価
リクルートがそこまで力を入れるのは、国内市場での成長が頭打ちになっているからだ。ネット経由の予約が倍増したというホットペッパーグルメの飲食部門に目を向けると、4~9月期の部門売上高は前期比2.2%増の161億円にとどまる。
「食べログ」や「ぐるなび」といったライバルとの競争が過熱する中、従来のクーポンを発行することで集客をサポートするビジネスモデルから、さらに業務効率化まで支援することで“切っても切れない仲”にする狙いがある。
国内ではIT活用で持続的な成長を目指すと同時に、もう1つの重要な成長エンジンが海外だ。「中期的に7000億円の余力がある」(峰岸社長)と、海外企業のM&Aを加速させる。米求人広告大手インディードなど過去の買収企業の業績への寄与は大きく、人材募集、人材派遣ともに海外部門は足元でも2ケタの勢いで伸びている。
今後は大型買収に乗り出す方針で、20年に人材領域でグローバルナンバーワンになる目標を掲げる。
株価は6.6%下落
ただし、思惑通りに成長できるのかは不透明だ。ライバル企業の幹部は「Airレジによって店舗の予約状況や客単価の情報をリクルートがすべて手に入れることができる。嫌がる店舗も出てくるのでは」と指摘する。
リクルートはEBITDAで毎期5~9%程度の右肩上がり成長を目指している。が、EBITDAの増加が営業利益の増加に必ずしもつながらない、というわかりにくさもある。買収に伴うのれん償却はEBITDAには含まれないが、営業利益には反映される。人材募集や人材育成部門の拡大によって今期のEBITDAは前期比5.7%増の1910億円を見込むものの、営業利益ではのれん償却などの影響で同3.0%増の1210億円にとどまる見通しだ。積極的に買収を進めた場合、EBITDAは増える一方で、のれんの額によっては営業利益ベースで減益になる可能性もある。
4~9月期決算発表日の翌14日、リクルートの株価は前日終値比で6.6%下がった。期末に向けて市場の厳しい評価をはね返すことができるのか、真価が問われる。
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