EV覇権握るのは?世界自動車メーカーの大競争図 トヨタ、テスラなど日米欧中の勢力を徹底比較

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3社のうち、テスラのライバルと目されているのがニーオで、2020年にはテスラに並ぶ高成長を遂げ投資家の注目を集めた。

また、テスラ同様にEVの製造・販売のみならず、バッテリー供給をサブスクリプション化する事業を展開するなど、EVを軸とした多角化にも積極的だ。3社はいずれも投資を優先しており、2020年時点までは赤字の状態が続いているが、近い将来に黒字転換すると予想されている。また、3社とも中国国内で着実に販売台数を増やしており、投資家による成長予想もテスラを超えている。

(出所)『くらべる!決算書図鑑 比較でわかる同業他社の意外な戦略&儲けのしくみ』(宝島社)以下同

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② 日本の自動車メーカー5社、ひとり勝ちのトヨタ自動車

2021年1月の政策方針演説で菅義偉・前首相は「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と述べた。この数年、世界的なカーボンニュートラル化への流れから、EVの開発、代替燃料エンジンの開発が本格化した主要な自動車メーカー5社を分析してみよう。

トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、スズキ、SUBARU:2020年4月~2021年3月期

2020年には952万8438台の新車を販売し、世界の自動車メーカー販売台数ランキング1位を誇るトヨタのひとり勝ち状態が顕著である。もともと自動車業界では新しい技術を開発するのに莫大な投資を必要とするため、今後もトヨタの優位はゆるがないだろう。

ハイブリッド、燃料電池、EVなど変革期

1997年に世界で初めてハイブリッドカーを発売したのはトヨタ自動車だった。20年以上経った現在も、ハイブリッドカーではトヨタが世界中の自動車メーカーをリードしている。一方、トヨタはこれまでEVの開発には消極的だったが、2021年12月にEVの開発にも本格的に乗り出すことを明らかにした。

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