「冷戦ではない」この戦いが世界へ与える真の衝撃 ロシアの軍事侵攻の本質と世界経済への多大な影響

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筆者は、昨年1月20日のバイデン大統領の就任演説を受けて、「バイデン就任演説から見えた5大注目ポイント 」(2021年1月21日配信)を寄稿しました。その中で、「バイデン大統領は予測可能性が高いことが長所・短所」であると指摘しました。以下、記事から引用します。

「一方で、予測可能性が高いことは、交渉戦略上は大きな短所として作用します。親トランプの過激派筋やテロ組織等には攻撃の材料を提供しやすいことを意味するのです。もっとも、オーソドックスで正義をもって事に当たろうとしているバイデン大統領は、後者のデメリットを熟知しながらも、自らの価値観とともに正々堂々として言動を続けてくるのではないかと考えられます」

今こそバランス感をもちながらも強力なリーダーシップをもつリーダー、老練でしたたかでタフなプーチンを凌駕するような戦略性、そして「民主主義国家」としての政治・経済・社会・テクノロジー面での強力なグランドストラテジーが求められています。

「兵は国の大事なり」再認識せねばならない厳しさ

最後に、孫子の兵法の中でも最も重要な箇所と言われている「兵は国の大事なり」の全文と現代語訳を、戦争研究の大家であり戦史研究家でもある杉之尾宜生先生の『現代語訳 孫子』(日本経済新聞出版社)から引用したいと思います。ビジネスや経営に即した現代語訳ではなく、あえて戦争研究での現代語訳とするのは、「新たな種類の戦争」の可能性の中で、私たちが戦いということの厳しさを再認識する必要があると思うからなのです。

[原文]
孫子曰く、兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。
故に、之を経るに五事を以てし、之を校ぶるに七計を以てし、その情を索む。
[現代語訳]
戦争特に武力戦とは、国家にとって回避することのできない重要な課題である。戦争特に武力戦は、国民にとって生死が決せられるところであり、国家にとっては存続するか滅亡するかの岐れ道である。我々は、戦争特に武力戦を徹底的に研究する必要がある。
根本的な五つの考慮要素について、己自身の主体的力量を検証し、次いで七つの考慮要素に基づき彼我の力量を比較検証せよ。そうすれば、彼我の相対的な力量の実態を解明できるであろう。(『杉之尾・孫子』20ページ)
田中 道昭 立教大学ビジネススクール教授

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たなか みちあき / Michiaki Tanaka

シカゴ大学経営大学院MBA。専門は企業戦略&マーケティング戦略およびミッション・マネジメント&リーダーシップ。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)などを経て、現在は株式会社マージングポイント代表取締役社長。主な著書に『「ミッション」は武器になる』(NHK出版新書)、『アマゾンが描く2022年の世界』(PHPビジネス新書)、『GAFA×BATH 米中メガテック企業の競争戦略』(日本経済新聞出版社)など。

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