バイデン就任演説から見えた5大注目ポイント 結束を訴え、実行することが何より求められる
厳重な警戒体制の中、バイデン大統領の就任式が1月20日に終了しました。
筆者は、1月15日付の記事『バイデン1/20就任演説で外せない7大ポイント 危機的なアメリカをどう一致団結させるのか』において、①演説の対象(国内)、②演説の対象(国外)、③対立構造、④ビジョン、⑤世界観、⑥価値観、⑦セルフブランディング(ポジショニング)という7つのポイントにおいて、トランプ前大統領の4年前の就任演説分析とバイデン新大統領の就任演説予測を行いました。
バイデン大統領の就任演説は、上記で示した7大ポイントについて、ほぼ予測どおりの内容となりました。もっとも、ここで重要なのは、就任演説予測がほぼ予測どおりだったということではなく、バイデン大統領やその就任演説の予測可能性が高かったということなのです。そして、この点が、これから詳細を見ていくように、バイデン政権の今後を占ううえでも最重要ポイントの1つになると考えられます。
また1月15日付の記事において、筆者は、米議会3誌の1つであるThe Hillの記事の中から、「バイデンの就任演説は、リンカーンの高潔な理想主義とルーズベルトの明確な実利主義を組み合わせる必要がある」という指摘を紹介し、バイデン大統領が就任演説で提示していくべき内容についても考察しました。
今回の記事では、以上の内容を踏まえて、前回記事で示した7大ポイントの実際を分析していくのとともに、実際の就任演説結果からバイデン政権の今後を占っていきたいと思います。
『バイデン就任演説の7大ポイント』はどうなったか?
「今日は民主主義の日だ」。バイデン大統領の就任演説の冒頭部分での最重要メッセージです。
これは、4年前のトランプ大統領の就任演説では、「民主主義」という言葉が一度も使われなかったのとは対照的でした。バイデン大統領は「一大統領候補の勝利ではなく、民主主義の勝利」とも述べていますが、演説全体を通して、「民主主義」がこれまでアメリカが直面した脅威に何度も勝ってきたこと、そしてこれからもアメリカは「民主主義」のもとに結束すべきであることを強調しています。
それでは、冒頭でも述べた7つのポイント――①演説の対象(国内)、②演説の対象(国外)、③対立構造、④ビジョン、⑤世界観、⑥価値観、⑦セルフブランディング(ポジショニング)――に従って、バイデン大統領の実際の就任演説を分析していきます。
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