日本の税制の課題は税収調達力と所得再分配機能の回復だ--峰崎直樹・内閣官房参与

ただ、労働力供給という観点からすると、やはり専業主婦の皆さんだけをなぜ支援しないといけないのか、働く女性をどうしてくれるんだという話が必ず出てくる。これまでは内助の功という説明をしていたが、それではあまり説得力がないので、税が労働力供給に影響を与えないようにするためには、(配偶者控除を)廃止した方がいい。

廃止によって負担増になるが、配偶者控除の分をすべて廃止するというわけではなく、基礎控除に振り替えるとか、そういう議論ももちろんありうる。

--所得税の税率やブラケット(税率適用所得区分)の数はどう整理していくべきでしょうか。

そこまで(の議論は)今年はいかないだろうと思う。ただ、最高税率を上げたほうがいい、という声は結構ある。ただ、引き上げてどれくらいの増収効果になるかというより、どちらかというと、過去の高額所得者への減税がやや行き過ぎたという声がある。むしろ象徴的な意味で、それ(最高税率)を5%なら5%上げる。そういう声が前々からある。

--高額所得者が日本から逃げ出すという見方もあります。

そこは、私は逃げないと思うし、逃げるような愛国心のない人はいかがなものかなと(笑)。企業と違い、個人は逃げたら一生、海外で生活するだけの語学力とか人間関係とかいろいろ必要になるが、それはなかなかない。

私はどちらかというと、そういう人は一時的にいなくなることはあっても、永続的に海外に出て行く人は意外と少ないんじゃないかと思う。

--所得の再分配機能を変えるという原則は、所得税改革においてどのように反映されるのでしょうか。

配偶者控除を廃止したり、所得控除を廃止して税額控除にするとか、手当てに変えることで、課税ベースを広げることはある。ただ、かつてのように、十何段階のブラケットと九十数%という最高税率に戻すという発想はないんじゃないか。

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