日本の税制の課題は税収調達力と所得再分配機能の回復だ--峰崎直樹・内閣官房参与

--「増税で経済成長」というスローガンがあります。

この言い方は、国民の皆さんの負担を通じて分配を強め、社会保障、景気を支えていく。ただ、付加価値を生み出していくところは民間部門なので、その民間部門が起業家精神を大いに発揮していただいて、設備投資をして、リスクをとりながら景気を引っ張っていただくと。それを大いに期待しているが、この20年間なかなか進まない。

 民間企業には200兆円以上のキャッシュがたまっているといわれる。民間は設備投資をしない、家計は貯蓄していく主体ということで、政府部門がとりあえず引っ張っていくしかないではないか。

--民主党は大きな政府を目指すのでしょうか?

政府の規模が大きい、小さいは経済成長とはまったく関係ない。これは学者の研究でも示されている。菅総理の所信表明演説では、国民の生活を守っていくために財政を大きくしなければならない場合は皆さんに(負担を)お願いする、と言っている。それはある程度、今より規模の大きい政府になるということだろう。

国民所得に対する税と社会保険の比率は4割を切っており、米国と並んで世界でもっとも低い。小さい政府で、しかも高齢者の比率が世界で最も高い社会が持続可能であるとは思えない。そこはしっかり問題を指摘して、そこ(国民の負担)を引き上げていくことは、しっかり説明していく必要がある。

--法人税率の引き下げ論議についてはどうお考えですか?

たとえば、減税された分がうまく設備投資されるのか。雇用を増やしてくれるのか。法人税が下がれば経済が活性化することが確実に言えるのだったら、いくらでも(法人税率引き下げを)するのだが……。

税金の問題も大きいかもしれないが、社会保険のコストや消費者の需要とか、もっと(企業の設備投資や雇用意欲にとって)大きいことがあるのではないか。端的に言って、内部留保を200兆円ためている。それをどんどん使ってくださいと。

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