最大級のメガソーラーが目指す「地方創生」 くにうみアセット・山崎養世社長に聞く

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再エネを通じ、過疎地の産業を振興し、太陽や木や風、地熱という自前のエネルギーで発電し、化石燃料の輸入を減らせる。再エネは日本のサバイバルのために必要だ。もちろん、太陽光発電などの調整電源としての火力発電は必須。化石燃料のほとんどを輸入に頼っている日本では、原子力も今すぐにはなくせない。原子力をなくしたら電力会社の経営は成り立たず、そうなると再エネの買い取りもできなくなる。脱原発の助けはしたいと思うが、今すぐは難しい。エネルギーのバランスを取りながら、複雑な山登りをしていく中でどこまで実現できるかを探っていくことになろう。

発電開始後、インフラファンドに組み入れへ

――金融界における長年の経験を生かしている。

今回のプロジェクトは再エネと不動産、金融の3つが三角形として組み合わさって実現したものだ。そこにわれわれの金融での経験が期せずして生かされている。今、電力業界で起こりつつある変化を、われわれは金融の世界で30年前に経験した。私が大和証券、ゴールドマン・サックスで経験したのは、金融グローバル化の時代だった。それがなかったら、日本の金融界は存続していなかっただろう。

今度はインフラのグローバル化だ。グローバル基準を取り入れて、内なるグローバル化を進めれば、今度は世界でグローバルに展開できるようになる。電力会社だけでなく、鉄道会社、電気化・IT化する自動車会社、高速道路運営会社などが一体となってインフラ輸出できる国家になった時こそ日本が本当に再生する時だろう。

もう一つ大事なことは、国民の成長資金をそこにつぎ込むことだ。日本にはまだまだGEのように、リスクをとって成長資金を出す会社がいない。そこへ日本の資金が入っていくようになってほしい。たとえば、日本の年金基金が(再エネ発電事業へ)投資すれば、国民が負担する電気料金が国民に返ってくる。これが最終的に成り立たない限りは、再エネの発展は続かないだろう。

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