最大級のメガソーラーが目指す「地方創生」 くにうみアセット・山崎養世社長に聞く
プロジェクトの主役は瀬戸内市
――建設予定地はかつて東洋一の規模を誇ったという岡山県の塩田跡地(広さ約500ヘクタール)だ。
今回のプロジェクトの主役は瀬戸内市だ。同市は人口約3.7万人の小さな町だが、武久顕也市長が積極的なリーダーシップを発揮し、塩田跡地を発電所として活用することを決断した。同市の提案に30社が興味を持ち、8社でコンペが行われた。4社が最終面接に選ばれ、結局われわれが最高点で当選した。
われわれが選ばれたのは、瀬戸内市の永続的発展を事業の最大の理念としたことが市に受け入れられたからだ。発電所というのは市にとって、固定資産税や地代収入を通じた財政的なエンジン(市によると、地代収入は今後25年間で100億円予定。固定資産税は未定)になる。ただ、それだけでは地域は発展しない。その資金を使って、観光や農業、水産業などの産業振興をやっていく。そうして市を自律的に発展させてこそ意味がある。
塩田跡地のままだったら高潮も心配になる。今回のプロジェクトでは高潮対策として、総延長1.8キロメートルに及ぶ長大な堤防をわれわれ事業者の負担で建造する。地下40メートルまで杭を打って、耐震強化を施す。市民にとっての安全安心の対策も今回の事業によって可能になる。
今、政府が推進している「地方創生」は、われわれが過去20年来ずっと主張し続けていたことで、地方自らが成長戦略を持つことが重要なポイントとなる。今回のプロジェクトはまさに、自治体を主役とした理想の地域づくりが事業のコアにある。われわれの役割は、瀬戸内市の構想や夢を実現するためのお手伝いをするということだ。
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