最大級のメガソーラーが目指す「地方創生」 くにうみアセット・山崎養世社長に聞く

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東洋一の塩田だった岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地

かつて塩田として東洋一の規模を誇った岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地。そこで、国内最大級となるメガソーラーが10月11日に着工された。発電出力は231メガワット(23.1万キロワット)で、原子力発電所1基の4分の1程度の規模。2019年4~6月に商業運転の開始を予定している。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)により、中国電力が購入する(接続契約済み)。

事業主体は特別目的会社の「瀬戸内Kirei未来創り合同会社」で、ここには米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループのGEエナジー・ファイナンシャルサービス、東洋エンジニアリング、くにうみアセットマネジメントの3社がそれぞれ60%、30%、10%を出資する。総事業費は約1100億円、うち900億円をシンジケートローンで調達するという大規模プロジェクトだ。

運転開始後には、この事業を証券化して地域住民や機関投資家などが投資する仕組みも導入する予定。いろいろな意味で画期的となるこのプロジェクトの意義や将来展望などについて、提案開発段階からの連合体の代表企業である、くにうみアセットマネジメントの山崎養世社長に聞いた。

同社は再生可能エネルギーに特化した投資案件開発、証券化などを手掛ける資産運用会社。山崎社長は元ゴールドマン・サックス投信(現・ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)社長で、12年2月にくにうみアセットマネジメントを設立した。

理想の地域づくりが事業のコア

――このほど着工したプロジェクトの特徴は。

まず、世界的にも最大クラスで、小型火力発電所並みの大規模太陽光発電所が国内にできるということ。そして、事業主体として世界最大のエネルギー企業であるGEや世界的エンジニアリング会社の東洋エンジニアリングが参画し、清水建設やNTT、日本IBMなど国内外の名だたる企業が事業の連合体に参加することだ。

そして画期的なのは、日本のメガバンク3行がシンジケートローンの主幹事となり、ノンリコース型のプロジェクトファイナンスで資金調達を行うことだ。これ が将来的に証券化に結び付いていく。こうしたグローバルな金融手法が可能になった背景には、再生可能エネルギーのFIT(Feed in Tariff=固定価格買取制度)という制度と、戦後最大の経済改革ともなりうる電力システム改革がある。不動産業界で証券化が活用されているのと同様、 電力業界にも証券化が導入されることによって、日本のインフラ運営のあり方が本質的に変わる可能性を秘める。

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