東証の独占を揺るがす私設証券市場・PTSの潜在力と限界

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東証の独占を揺るがす私設証券市場・PTSの潜在力と限界

PTS(私設取引システム)は1998年、証券取引法改正によって株式売買の「取引所集中義務」が撤廃されたことに伴い解禁された。現在7社が運営しており、「昼休みなし」「夜間取引」「最小0・1円の呼び値」などで取引所と差別化している。欧米では主要取引所を凌駕する勢いで、日本でも近年伸びてはいるがシェアはまだ1%。約90%を握る東京証券取引所の“独占”に変化はない。

そのPTSに、急成長を予感させる動きが最近出てきた。世界的なPTS大手の日本参入である。

野村系の「黒船」襲来 流動性の奪い合いへ

7月29日、チャイエックス・ジャパンが日本でのPTS業務を開始した。日本証券クリアリング機構がPTSで成立した売買の債務引き受けを開始し、決済リスクが解消したのに合わせたタイミングだった。

同社は野村ホールディングスの完全傘下にある。兄弟会社の欧州法人(野村の子会社が34%保有)は2007年の業務開始で、すでに欧州全域でのシェアが20%近くと、主要取引所と肩を並べる。カナダ法人も08年参入から1年で10%以上のシェアを獲得。取引所を上回る高速取引が売り物で、海外では手数料(場口銭)を大幅値引きするなど、シェア拡大最優先の戦術を採ってきた。

そんな「黒船」が襲来したのだから、東証とて意識せずにはおれない。「刺激になるし、目が覚める面もたくさんある」。7月の記者会見で東証の斉藤惇社長はそう語った。

ただ、今のところはスローな出足だ。1日の取引高も1億円程度で、PTS全体の中でも1%程度のシェアにとどまる。「われわれは慎重にスタートした。欧州法人でも最初はそうだった」。ジョゼフ・マイヤー日本法人社長はそう語る。取扱銘柄数は5銘柄から開始し、10月5日には823銘柄まで拡大。取引参加証券会社も現在は野村証券と外資系証券の9社だが、今後2年間で20~30社への拡大を目指している。


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