エボラ熱、日本の防御態勢は大丈夫か

空港で検疫しても入国後に発症する可能性

エボラウイルスは5種類。感染した場合の致死率は20~90%

万が一、入国後に発熱など感染が疑われる症状が出たら、防護服や隔離病棟を備えた全国45の指定医療機関が患者を受け入れる。患者の血液は東京の国立感染症研究所に送られ、そこで陰性か陽性か確定診断が行われる。

米国では、リベリアから入国した後、エボラ出血熱を発症したトーマス・エリック・ダンカン氏が最初に不調を訴えて病院で受診した際、一時帰宅を許された。ダンカン氏はその後死亡。治療に当たった2人の看護師も感染した。

二次感染をいかに防ぐかは喫緊の課題だ。厚労省の中嶋氏は、「病院は平時から院内感染を防ぐ訓練をする必要がある」と、指導委員会を立ち上げ研修を急ぐ。大滝氏は体験を基に「防護服の脱着は10分弱かかる。肌が露出していないか、つねに医療スタッフ同士でチェックし合う必要がある」と指摘する。

米国疾病対策センター(CDC)は、来年1月下旬までに感染者数が最大140万人に達する可能性があると試算するが、予測数値は専門家によってバラツキがある。

ナイジェリアでは終息宣言

ナイジェリアでは20人の感染者が出たが、新規感染のない期間が42日間に達し、10月20日、WHOは感染拡大の終息を宣言した。電話の通話記録などから感染者と接触があった疑いのある人を特定。21日間の経過観察を行い、症状が出た人を専門治療施設に隔離したことが、功を奏したという。米国でも感染者との接触があった人を追跡して経過観察を実施。感染者は3人にとどまっており、対応策の面から参考になる。

日本ではまだ発症者は確認されていないが、最悪の事態も想定した備えが必要だ。これからも感染症リスクから逃れることはできない。

(「週刊東洋経済2014年11月1日号<10月27日発売>」)掲載の「核心レポート01」を転載)

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