日本人看護師が現地で見たエボラの真実

命がけの覚悟で患者と向き合った1カ月

シエラレオネでエボラ患者の看護にあたった大滝潤子さん(撮影:今井康一)
西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱。大滝潤子さんは7月から、国境なき医師団(MSF)から日本人2人目の看護師としてシエラレオネに派遣された。そこで目の当たりにした現地の惨状や、患者の救命にかける想いを語った。

高校生の頃に、ボランティアでベトナムの麻薬中毒患者のリハビリ施設建設に携わったことがきっかけで、世界中の病気に苦しむ人を助けたいと思うようになりました。日本の病院で看護師として働き、海外留学して英語も勉強しました。2012年からはMSFに参加して、イラク、ヨルダン、南スーダンへの派遣を経験しました。

今年4月から長崎大学の熱帯医学研究所で3カ月間、エボラ出血熱について研修を受け、シエラレオネへの派遣オファーを受けました。7月30日に日本をたち、帰国したのは9月10日です。

現地では温かく出迎えてくれた

日本からシエラレオネへの直行便はないので、MSFの国際事務局本部があるベルギーのブリュッセルを経由して、シエラレオネの首都・フリータウンに飛びました。そこからMSFが建てたエボラ出血熱の専門治療施設があるカイラフンまで、400キロの道のりを車で移動しました。

治療施設はテント作りで、私がいた当時は80床ありました。現在は96床まで増床されています。エボラについての知識がまだ浸透していない今年6月頃までは、外国人が奇病を持ち込んできたという噂が広まって、医師団に石が投げられたこともあったそうです。しかし、私が現地に着いた時は誤解が解けていて、子どもたちが手を振って温かく出迎えくれました。

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