日本人看護師が現地で見たエボラの真実

命がけの覚悟で患者と向き合った1カ月

脱水を防ぐため、水分補給を促す医療スタッフ (写真:国境なき医師団提供)

エボラ出血熱の致死率は50%程度と非常に高い。WHO(世界保健機関)の統計では、死亡者数は4000人を突破、リベリア、シエラレオネ、ギニアの3カ国で感染者が集中しており、終息の兆しは見えていない。

感染すると、発熱、頭痛、吐き気、下痢などの症状が出ます。一部の人は歯茎から血が出て止まらなくなったり、下血を繰り返したりもします。徐々に体力がなくなり、トイレにもいけないほど動けなくなると、おむつをします。

悲しいという感情を押し殺してプロに徹した

有効な治療薬がないので、頭痛を和らげるための鎮痛薬や、脱水を防ぐための水分補給などの対処療法が中心となります。できるだけ経口投与で頑張りますが、吐き気が強いので、最後の手段として点滴を使用します。病棟に入るたびに誰かが亡くなっているという状況で、悲しいという感情をマヒさせなければ、プロとして仕事が続けられませんでした。

回復するためには、本人が持っている抵抗力が大事です。あとは体内に入り込んだウイルスの量も関係します。血液検査で最初からウイルス量が少ないと症状も比較的軽くなります。自力で食事も取れるようだと回復の見込みが高まります。検査をするたびにウイルス量が減っていき、陰性の結果が出ると完全回復と判断されます。回復した患者は拍手をして送り出されます。その瞬間が一番うれしいですね。

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