エボラ熱、日本の防御態勢は大丈夫か

空港で検疫しても入国後に発症する可能性

一方のアビガンは、もともと今年3月に承認されたインフルエンザ治療薬で、米国でも申請中である。アビガンを服用したフランス人女性のエボラ患者が治癒し、10月4日に退院したことで、エボラ出血熱にも効果があるのではないかと注目されている。

すでに量産されており、フランス政府とギニア政府が11月からギニアで60人を対象に、臨床試験を行う予定だ。ほかの国や機関も、富山化学工業にアビガン提供を要請している。

しかし、現時点では有効性について、十分な確認は取れていない。ワクチン開発もカナダなどで進んでいるが、「最終的に承認されるのはいつになるかわからない」(西條政幸・国立感染症研究所ウイルス第一部部長)。

結局、治療法が確立されていないため、空港での検疫体制を整えるといった予防に頼らざるをえないのが現状だ。

感染から発症まで最長潜伏期間は21日間

WHOが緊急事態を宣言したのが8月8日。その後、患者が集中しているギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国に滞在して日本へ入国したのは、200人超に上る。

その一人、国境なき医師団の大滝氏は、ベルギーのブリュッセルを経由して、9月10日に日本に入国。西アフリカでエボラ患者に接触した場合は自己申告するようにアナウンスがあったという。

感染を確かめようにも、発熱などの発症がないかぎり、その場で検査しても、陽性反応は出ない。感染から発症までの潜伏期間は2~21日で、検疫を通過した後に発症する可能性がある。大滝氏は入国日から21日間は、朝と晩の2度体温を測って、報告するように指示された。

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